スタートアップの創業メンバーとゲームの初期キャラは似てる
最近ハマっているゲームにLINE レンジャーというゲームがある。
典型的なタワーディフェンスゲームであるが、そのキャラクターの豊富さ、またガチャで効果的に強いキャラクターを出してくれたり、世界中の人と対戦できたりと、これが意外にも癖になるようにできている。
ゲームを進めていくと、「ガチャ」を引けるようになる。ガチャを引くためには、「ルビー」を課金したり、レベル上げ等の成長要素をユーザーは行っているので、当然ガチャで出てくるのは強いキャラクターになる。LINEレンジャーで言えば、初期のキャラクターは☆1つのランクのものに対し、ガチャで出てくるのは☆3〜5といった感じだ。また、最初にユーザーに与えられる☆1の初期キャラは全員飛び道具なしの物理攻撃のキャラクターだけだが、☆3〜5のキャラクターになると、飛び道具専門のキャラクターだったり、防御力に特化したキャラクターや攻撃専門のキャラクター等、いわゆる「専門能力」を持っているキャラクターが出てくる。
スタートアップもこれに似ていて、初期メンバーはフリークアウト取締役の佐藤氏の言葉を借りるなら「野武士」が多い。
フリークアウト、イグニスの2社の創業から上場に関わった男の語るスタートアップが陥りがちな5つの問題(フリークアウト佐藤裕介) | STARTUP SCHOOL
特に突出した経歴や才能はないが、がむしゃらになんでもふられた仕事をこなし、なにがなんでもプロダクトを売り込む。圧倒的な生命力で荒削りながらもドンドン会社を成長させる存在。それが創業メンバー、野武士のあるべき姿だと、佐藤氏は語る。私もこの考えにはとても共感でき、創業当初は机の組み立てからカスタマーサポート、広告の出稿まで言われたものはとにかくなんでもやった。LINEレンジャーでいくとなりふり構わず敵に突っ込んでいく☆1のキャラクターである。
しかし、成長していくに連れて会社自身のレベルも上がり、資金調達も行うようになる。いわゆる「課金」状態になっていくのだ。集めた資金で、会社を更に成長させられる優秀な人を雇うようになる。「マーケター」、「データアナリスト」、「インフラエンジニア」「UI・UXデザイナー」等の専門能力を持った横文字の肩書きのメンバー、LINEレンジャーでいう☆3〜5のキャラクターがドンドン入社してくるのだ。
当然、専門能力を持っている人材が優遇され、突出した専門性を持たない初期メンバーは排除されていく。がむしゃらさだけでは超えられない成長のフェーズに会社が移っているのだ。会社の成長スピードに、創業メンバーの成長スピードが追いつかなくなってくる。悲しいが、実際にスタートアップで働いて社長と会社の成長スピードについていけていないと感じることもある。逆に、あなたのいるスタートアップであなたより後に入ってくるメンバーよりあなたの方が優秀だと感じているのなら、黄色信号、今すぐにでも採用の方針を変えた方がいい。また、あなたがいわゆる創業期よりも後のメンバーであれば、創業メンバーを超え、押し退けて社内での役割をになっていなければ、あなたは価値を発揮できていない。
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☆3〜5の専門家に排除される運命の創業メンバーは、生き残る方法はあると私は考える。社内文化の創造と、創業期に力をつけてマネジメントや一歩俯瞰したポジションに駆け上がることだ。社内文化の創造は、私が考えるに創業メンバーのみに与えられるある種特権のようなものだと考える。いわゆる営業会社と言われる企業の創業メンバーには毎晩飲み歩く方が多いと感じるし、創業メンバーがお祭り好きなら、社員旅行でも大宴会を開いて社員数百人全員で踊り狂う会社など、濃い「企業色」を作っていけるのは、創業メンバーのみできることであり、これは余程のことがない限りひっくり返ることはないだろう。また、文化や企業の歴史を知っているからこそつけるポジションや、できるマネジメントがあると思う。
なんだかまとまりのないブログになってしまったが、今日このゲームをプレイしながら、ふと、スタートアップの創業メンバーはゲームの初期キャラクターに似ていると思って書いてみた。
インターネットの窓口で在り続けること
弊社のサービスはシンプルさ、手軽さが売りである。おかげさまで日本最大級の会員数になっていて、ありがたいことに日々ユーザーはドンドン増えている。中には、もっと高機能を備えてほしい。この機能だと使えないからもっとカスタマイズしたいというユーザーもいる。その意見はよく分かる。
今日の雑記では、広大なインターネットの中におけるポジショニングの重要性について話してみたいと思う。IT界隈にいると忘れがちになってしまうのだが、インターネットには本当にいろんな方がいる。バリバリプログラムを書いて自分のサービスを作っていくスーパーマンがいれば、スマートフォンしか使ったことがなく、Yahoo!でGoogle検索を検索してしまうようなリテラシーの低い方もいる。IT系にいると、サービス設計の時に自分を基準にしてついついリテラシーが中〜上のユーザーにフォーカスしてしまったり、マジョリティであるリテラシーの低いユーザーがどこまでリテラシーが低いのかを見誤っている方が多いのではないか、と私は考える。
かつてTwitterは、インターネットでの発信の窓口だった。Wordpressのようにカスタマイズが自由にできず、アメブロのように長文の投稿ができない。一見ユーザーの動きを制限してしまっていて、自由度が足りないように見えるが、逆にこの自由度のなさ、シンプルさが「インターネットで自分を発信する窓口」になっていると私は考える。なんとなくみんながやりだしているTwitter、ブログのように重い記事や、HTML等の技術力も必要なく、気軽に自分の意見を発信できる。そんなコンセプトが大衆に受け、Twitterへの登録ハードルを低くしIPOを果たすことができた。
Twitterの140文字では伝えきれない思いがある人はLivedoorブログやアメブロに行けばいいし、写真等のギャラリーはflickrやtumblrにいけばいい。Javascript等でバリバリカスタマイズしたい人はWordpressを入れたらいいし、映像を見てもらいたいならvimeoやニコニコにアップロードすればいい。Twitterはインターネットで自分を発信するきっかけになれたらいいのだ。
うちのサービスに話を戻すと、現状はこの窓口になれている気がしている。うちの提供している機能より高機能なものを求めるユーザーはうちから旅立って別のサービスに行くし、うちの形態とは別の形態でサービス展開をしたいユーザーはそれを提供している競合にいく。しかし、あくまでもうちとしてのポジショニングは「インターネットの窓口」であり、「ユーザーがインターネットサービスをはじめたきっかけ」であり続けるべきであると私は考える。
※高機能を求めているユーザーさん、すみません。

